なぜ精神療法(カウンセリング)をしているか

 ブログ開始にあたって、院長矢吹がなぜ精神療法(カウンセリング)の専門クリニックをしているか、まずは少し書きたいと思います。医師である矢吹が精神療法(カウンセリング)専門クリニックをしていると知って、どうして普通の(保健医療機関で薬も出す)心療内科ではなく精神療法専門にしたのですか、と聞かれることがよくありました。答えは一言で言うと、「精神療法は人生の役に立つ」と確信するようになったからです。

 矢吹ももちろんはじめは「普通の」心療内科や精神科の現場で臨床をし、研鑽をしてきました。その中で治療技法のひとつとして精神分析に由来を持つ精神療法に出会い、人は生まれ育った環境に影響を受けて考え方や行動を身に着けていくこと、場合によってはその生き方の癖が自分自身を苦しめること、しかし精神療法を通じて自分を知り、その生き方の癖を変えていくことができること・・・を知っていきました。学びを深めたくて国内留学、さらに米国メニンガークリニックへの留学をし、自分自身も精神療法を受けて、それは確信になっていきました。

 帰国後、学んできた精神療法を心療内科臨床の中で役立てたいと思いましたが、「普通の」病院臨床の中で医師に求められているのは、たくさんの患者さんを短い時間の中で診療することだという現実に、あらためて直面することになりました。それはとても大事な仕事ですが、自分はこの、人生を良い方向に変える力を持つ精神療法を、必要な方ひとりひとりにしっかりと時間をかけて提供していきたい。その思いから、まずは心理療法室として、そして今では精神療法(カウンセリング)専門のクリニックとして仕事をしています。必要な方の力になれることを願っています。

2023年01月04日