精神療法(カウンセリング)でできること
精神療法(カウンセリング)ではゆっくり時間をとって自分のお話ができます。忙しい日常では考える暇もなく、流されて過ごしてしまいがちです。カウンセリングのゆったりした時間の中で、まずは立ち止まって、自分はどんな気持ちなのか、どんな状況にいるのか、見ていくことができます。ご自分がお話ししていくことを中心にしていますが、箱庭療法やコラージュ療法(雑誌の切り抜きなどを画用紙に貼っていくアートセラピー)をすることもできます。言葉にすることが難しい時、非言語的な方法が助けてくれます。
どんな人に向いているか
何かがうまくいっていない、なんとかしたい、と自分で思えるなら、専門家とともにカウンセリングをしていくことができます。
来院される方の症状・問題の例
- 喪失(大事な方を亡くした・ショックなことがあった など)
- 大事な人を亡くした時、人は「時が解決する」などと言いますが、時がたっても悲しみが心に置き所をみつけられない時があります。複雑な気持ちを語り、心の中に置き所をみつけていく作業は、カウンセリングでできる代表的なことのひとつです。物事が思ったようにいかない、というのも心の中の一種の喪失です。心の中で消化をして、置き所をみつけていくプロセスが必要です。
- 過剰適応的な生き方など、生きづらさ
- どうも納得した生き方ができていない・・・限りある自分の人生なのに、人のことばかり優先して自分を大事にできていない人は少なくありません。多くの場合、それは育ってきたプロセスで身につけざるを得なかった生き方の癖です。そもそも自分を大事にするってどういうこと?まずはしっかりと自分のための時間を持って自分のことを考える。カウンセリングはそういう時間です。
- 心が影響する身体疾患による症状(慢性頭痛:片頭痛・緊張型頭痛、慢性蕁麻疹、更年期障害など)
- からだの病気の中で、その発症や経過に心がさまざまな影響を及ぼすものを、心身症と言います。心に目を向けることによって、辛い症状に改善の糸口が見えることが少なくありません。
- パニック症、摂食障害など
- パニック症は、保健医療機関で薬物療法が行われることが多い、不安が主体の病気です。摂食障害は何らかのストレスを背景に、痩せたい気持ちがつのり、身体に大きな影響が出る病気です。パニック症も摂食障害も、心理療法として、認知と目に見える行動に焦点を当てる「認知行動療法」がしばしば行われています。当院では認知行動療法とは異なる、「力動的な視点を持った精神療法(カウンセリング)」を行っています。症状の根本にある問題をご一緒に考えることができます。保険医療機関で薬物療法や身体のケアを受けながら、当院でカウンセリングをすることもできます。ご希望の場合は主治医の許可を得て、紹介状(診療情報提供書)をいただいて下さい。
- 子どもの問題
- 上記の問題がお子さんに見られる、という方。特に思春期・青年期までのお子さんでは、親御さんが状況を理解して対応することで改善の糸口がみつかることが少なくありません。ご一緒に、お子さんの問題・お子さんを取り巻く状況などについて考えます。